ケアレスミス コントロールに「脳」を慣れさせる

●なぜミスは起きるのか?これは人間の永遠の課題でもある。
ビジネスの世界でも、製造業では<ポカミス>とか<ポカ休>と言われる、作業員のケアレスミスによる機械の停止をなんとか食い止めようと、日夜全社をあげて、延々とした努力が続いているくらいだ。
ましてや、これらのミスを食い止めるためのノウハウなど持たない我々が、ポカミスをゼロにすることはできないに等しい。

●では。ミスはなくならないのか。受験で言えば問題の「読み違い」とか、名前の「書き忘れ」など、今でも当たり前に起きているミスはなくならないのであろうか?
答えは?<もちろんなくならない>常に個別に対処していかない限りは減らすことはできない。 なぜ、ミスがなくならないのかは、ここでは省こう。
今はこのミスをどのように減らすか、という「脳」の仕事について話す。
良く「脳」をかっぽじって聞いてほしい。

●どうせなくならないものなら、それをなくならないものとして認めたらどうか、ということだ。
そして、コントロールする「脳」力を、日常化してくのが<ケアレスミスコントロール>である。

●一つ目の方法としては、JRが開発?した「指呼確認」(しこかくにん)法がある。
駅員さんが、指であっちこっちを指して確認しているあれだ。
目で追うだけではなく、手で指で追うのである。
できれば駅員さんのように「…○○ようし、○○ようし、…」とやったほうがいいが、これが癖になると試験会場でも「…1番は正解、ようし。3番後回し、ようし…」などと口から出てしまい試験官から「退場ようし!」と、指で出口のほうを指されてしまうので、それを口に出す癖はつけないほうがいいだろう。
そのかわり、「脳」の中で言うのだ。これはかなりの確率で、ケアレスミスを減らすことができる。

●二つ目を提案しよう。
よく製造業で使われている「ヒヤリ・ハット運動」というのがある。
病院の治療ミスが立て続けに起きた本年初頭、テレビでも病院をあげて「ヒヤリ・ハット運動に…」と報道されたことを覚えておられるだろうが、実はこの「ヒヤリ・ハット運動」はもう10年以上前から、製造業ではおなじみの「工場の安全管理」の定番でもある。

●今日一日の作業の中で、ヒヤリとしたことやハッとしたことなどを報告しあい、即時に対処する、という「カイゼン」(改善)運動の一つである。
アメリカに輸出?した日本の工場管理のノウハウの一つでもあり、トヨタの「カンバン」(看板方式)とともに日本の誇るきめの細かいノウハウである。

●これを活用して、ケアレスミスを減らすのだ。
まず、よく間違う傾向を自分の中に見つける。
問題の読み違い、書き忘れ、解答欄のずれ記入、計算間違い、漢字の当て字傾向、時間配分のミス、…
それが大体分かったら、これを間違いの回数の多い順に並べ替え、一覧表を作る。
そしてその一覧表を前の壁にでも貼っておいていつもこれを見ておく。やがて自然に覚えるだろう。
模擬試験や中間・期末試験を活用して、この一覧表の順にチェックする時間を必ず数十秒間持つようにする。
ものの数十秒で結構だ。「脳」に焼きついたこのチェックリストのプログラムが働いて、おかしなミスを発見してくれるだろう。

●やがて、意識しなくても自然にケアレスミスを発見する機能が働き、前よりももっと良く実力を発揮できる自分を発見していることだろう。