アルミ鋳物メモ

作成:2005-10-6
更新:2008-4-18

脱ガスに使うガスの純度

 脱ガスは溶解時に空気や坩堝などが熱せられて発生する水素ガスが、溶湯中に溶け込んでしまい、鋳物になった時に製品内部に極小の孔を作り、強度が低下するのを防止する為に行う。比重の問題から溶湯に溶け込んだ水素は自然に浮き上がってこない為、を窒素ガスやアルゴンガスを坩堝底部から吹き出し、円盤を回転させて気泡を細かくする事で脱ガス用ガスに水素を吸着させて、溶湯を健全なものにする処理を言う。

 脱ガスに使われる窒素、アルゴンガスの純度は99.99%(フォーナイン、Four Nine)と99.9%(スリーナイン、Three Nine)では決定的な脱ガス差があり、出来るならば99.99%のものを使うこと。また窒素よりアルゴンの方が脱ガス性能に優れる。


クリープ変形

材料に力を加えると、皆さんご存知のように、材料は変形します。
大きな荷重を加えると、それだけ大きく変形し、ある程度の荷重(いわゆる弾性限)を超えると、あとから荷重を除いてもそのまま変形が残る塑性変形が生じます。
これが室温で見られる金属やセラミックスの変形です。 これに対し、温度が上昇すると、室温では塑性変形が生じないような小さな荷重しかかかっていなくても、 時間をかけてゆっくりと着実に変形が進行するようになります。
この、時間の経過と共に徐々に進行する塑性変形を、クリープ変形と言います。

と書いても何のこっちゃと思われるでしょう。確かに、身近な現象とは言えないかもしれませんが、私たちの周囲で起きているクリープ変形の例を探してみましょう。

(例1)氷河
 ご存知のように、氷は融点が0℃です。ですから、0℃近い温度も氷にとっては高温 になります。そのため、氷河の温度では容易に氷はクリープ変形を起こし、結果として氷河は流れます。
 もちろん、川のように目に見えてどうどうと流れては行きませんが、それでも氷河ゆっくりと、着実に流動するわけです。

クリープ変形のイメージが、なんとなくでもお分かりいただけましたでしょうか。

さて、クリープ変形が実際上問題になるのは、材料にとって高温の環境に長時間晒される様な状況です。多くの構造物、自動車やロケットのエンジン、飛行機のガスタービン、発電所のタービンや高温の蒸気が常に流れている配管など、とりわけエネルギー変換に関わる構造物は、まず必ずと言ってよいほど高温に晒されています。
あまり良い例ではありませんが、最近社会問題になっている原子力発電所の構造物の破壊や、国産ロケットの失敗につながったエンジン部の故障は、これらの構造材料が如何に過酷な環境に置かれ、これが壊れてしまうといかに大変なことになるかを物語っています。
つまりこれらの事故は、高温に晒されることで、通常の環境下よりも急速に材料が傷んでしまった結果なのです。
超塑性は、非常に大きな延性を示す(しかも多くの場合、結晶粒の等軸性が変形後も損なわれない)、クリープ変形の中でも特殊な例と言えます。


鋳造(軽合金鋳物鋳造作業)

 1級 次に掲げる作業試験及びペーパーテストを行う。

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 (1) 作業試験
  所定の模型を使用して、主型及び主中子を手込めにより造型し、フィン付きケース(材質AC2A程度、製品重量約2.5kg)を製作する。
  なお、造型はCO2型法、生型法又は自硬性型法によるものとし、注湯作業及び型ばらし作業も行う。
        試験時間  4時間
 (2) ペーパーテスト
  部品図の読図について行う。
        試験時間  1時間30分

 2級 次に掲げる作業試験を行う。

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  所定の模型を使用して、主型及び主中子を手込めにより造型し、ケース(材質AC2A程度、製品重量約2kg)を製作する。
  なお、造型はCO2型法、生型法又は自硬性型法によるものとし、注湯作業及び型ばらし作業も行う。
        試験時間  3時間30分

溶接のメモ

PQR
Procedure Qualification Recordの略で溶接施工試験記録のこと。
溶接継手品質を保証する為に事前に試験した記録。内容は対象継手の溶接条件と、それに対する溶接継手の品質(引張試験、曲げ試験等で評価)の記録。

WPS
Welding Procedure Specificationの略で溶接施工要領書のこと。
PQRで保証された溶接施工条件を基にWPSを発行する。
JIS、ASMEに素材に関する分類があるので、それに基づき確認テストをする必要がある。圧力容器などは法的に要求されるらしい。


Angel of Black is in the interval exceeding light and darkness...